2009年10月30日金曜日

映画雑感

最近日本の映画がおもしろくなってきている感じがする。

昔は一年に400本以上の映画を見ている時期があった。ちょうど企画関係、販促関係をしている頃。
イラン映画や中国映画、ベトナムの映画、
今から10数年前だから、まだ一般的にアジアの映画はメジャーではなかった頃。
日本の単館上映ものも、こまめに見て歩いた。

最初は企画で、何かのヒントになるんじゃないのかと下心満載、仕事気分で鑑賞していたが、


映画って、おとぎ話のような非日常
なのに、日常の中で感じていて、ココロの奥や片隅にひっかかっている
日常感情に、ことんとひっかかり、音を立てていく。

映画を作る人って、とても芸術家だと思う反面、一つのシーンに切り取られた
日常の感情が、何かをさわる。

隠してきた感情だったり、無くしたと思い込んでいた感情だったり、
そして観賞後は、ずいぶんと時間の感覚がおかしくなってしまっていることもある。


どの映画が一番でしたか?という質問は、

仕事をしているときの枕の話題でよく出てくる。
仕事の打ち合わせは、本題に入るまでにいろんな世間話をする訳だけれど、
それはクライアント担当の方との間合いをはかったり、何かの共通点を探してみたりという
時間でもあって、そこでの会話のセンスが、実は仕事を決めていたりする。

音楽、映画、本、
「いやーこの前、ある映画を見てきましてね。まだご覧になってないなら、ネタバレになると
申し訳ないですから、内容は言わないことにしますが」とただいま上映中の話題を持ち出すのは
野暮であると教えられたことがある。

映画の話題は、確実に上映が終わっているものにして、その映画を
「今でも記憶に残る映画があってね、数年前になるけれど・・」
と語り出すのが、一番だと、ノウハウチックなことを教えられた記憶がある。

話題の軸がただよった。
当時の日本の映画は、ちょうど斜陽産業の中核的存在で、
ヒット作品といえば、ほとんどがハリウッド映画だった。
一つのエンターテーメントとしてのハリウッド映画は、それで結構気分爽快なものではあるが、

非日常のスクリーンに、日常で感じていた、あるいは置き忘れていた感情の何かを
ことんと触るような感覚になりにくく、当時の僕は苦手だった。

僕はよく泣く。泣くに至るために映画を見ているといってもいい。
仲間うちでは僕が泣くことは、常識的になっていて、仲間とともにテレビを見ていても、
コマーシャルで、そうわずか15秒のコマーシャルの間に、感情の何かにことんと触るものさえ
一瞬登場するだけで、涙腺の開放は始まってしまう。

それを目撃した人は一様に、
「えーーー、今泣くとこあったあ?」と笑い出すのが常ではあるが、
僕は平然と
「いい話、いいシーンやったなあ」と涙を拭うのである。

で、最近の日本映画が素晴らしい。
僕は映画産業というものが、日本や韓国やアジアの国にとって、非常に
魅力ある産業になると予感していた。
それは数十年前にも感じたことがあって、その理由は、いろいろあるが、
日本や中国、韓国の文学というものが、人間の感情を中心にした
情や勇気や、愛や苦しみや孤独のような細かい描写のものだったからで、
娯楽ではなく、芸術としての文化的な素養がハリウッドとは異なる領域で成立しえると本気に
考えていた。

僕は映画について、映画産業について、何も知らないが、
お金のかけ方や、産業としての流通、配給の仕組み、俳優と監督との関係性や
プロデュースなどのものづくりの手法なるものも全く素人な中、
いち観客としての立場から、映画のジャンルはいろいろあるけれど
感情の何かを触るようなものを感じるお客様を持つアジアの素養のようなものを
何かなんとかできないものなのかなあと、その数十年前に感じていた。

また、お客様が芸人を育てていくような、
そんな文化がもっと成熟したらということも感じていた。
お客様を「対象者」として、みる構図ではなく、
制作者もお客様も同じような立場で、映画を育てているという感覚。
つまり、積極的に映画を劇場に見に行くという文化。
それで映画産業が育ち、その恩恵を観客が得られるのであれば、
送り手とお客様という対立軸としてのマーケッティングという構図だけではなくて、
何か、「我々」という構図って必要ではないかと。
(このあたりは別のテーマで書いてみたいなと)


だから最近の韓国映画ブームやここ近年の日本映画のヒットは
凄くいい感じ思う。

いいな。
大きなスクリーンで見たくなるよな。

僕の中にある原風景は、部活が放送部であったこともあるし、
高校時代の文化祭やバンドの活動や、はたまたキャンプや討論会のようなもののイベントにある。
あの高揚した雰囲気や、ものづくりの試行錯誤のシーンは
僕のココロにしっかりと「よきもの」として残り、仕事をして社会に出てからも、
そんなシーン、そんな舞台を夢想しているときがある。

夢は、自分が作品を書いて、それが原作で、
自分は舞台を作り演劇で、同じ原作でラジオドラマを、そして、その時に一番波長のあう
監督さん、脚本さん、スタッフでチームをこしらえて、映画を
そんな作品を

死ぬまでに一本作りたい。

なあ。

この秋、たくさんの映画を見たいと思う。
スケジュール的に見に行けるかどうかは皆目検討がつかないが、
予告トレーラーを見ただけで、これも、あれも見たいというものが
目白押しだ。

・「沈まぬ太陽」
これは絶対に見逃せない!映画だから、映画でないと。
・「クヒオ大佐」
本当にあったらしい結婚詐欺師の話だけれど、堺さんの演技を見ておかないと。
・「ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜」
松たか子だから。太宰だから。そして浅野君だから。
・「さまよう刃」
東野原作で涙したから。
・「僕の初恋をキミに捧ぐ」
井上さんがかわいいから。
・「無防備」
再生の物語ということだから
・「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」
これは日本映画ではないが、やはり僕らの時代のスーパースターだ!
・「サイドウェイズ」
生瀬と小日向さん、鈴木京香と菊池さん、この組み合わせは見ないといかんやろ
・「ゼロの焦点」
松本清張原作、これで映画化は何回目かな?広末さんも最近凄いんと違う?
・「笑う警官」
大森南朋、ここばらく社会派傾向か。
・「宇宙戦艦ヤマト・復活篇」
これは見逃せない!古代進と森雪の子どもが登場
・「サヨナライツカ」
ミポリンを見ない訳にはいかない。
・「おとうと」
つるべの俳優ぶりと吉永小百合さんのシーンは目撃しておくべきと
・「ACACIA」
我がココロの師匠、アントニオ猪木を見ないと後悔しそうだ。辻さんの監督さばきも。

こんだけ見れるか?
映画は映画館でやっている。(これからやる)
あとは、上映時間とスケジュールの問題やな。

スクリーンで見ないと、ちょっといかんよなあ。
後でDVDで、という誘惑に対する答えは、
スクリーンの大きさとあの音が自宅で再現できない現状。

ホームシアターが欲しい。。。

というか、シアターのスペースがある自宅が先か(苦笑)

とにかく映画が活気があることは、
この上なく幸せなこと。

映画を製作するって、とても多くの人の魂が込められていて、
それを配給、公開できるということも、資金的、人的、その他もろもろの
たくさんのかかわり合いがあって初めて、僕らが体験できること。
こんな映画を作ってくれて、公開してくれてありがとう!という気持ちを忘れずにいたいな。

日本映画、頑張れ!
ハリウッドは、ハリウッドで、ハリウッドらしいものを作ってね。
(でも、最近の経済事情では、なかなか厳しいのかもしれないけれど、
そこはやはりハリウッドのスケールはオンリーワンなのだろうし)

0 件のコメント: